UntroD Capital JapanとQBキャピタル、ディープテックVC同士で日本初の包括連携を始動
QBキャピタルのキャピタリストがリアルテックファンドの投資・育成活動に参画し、全国の大学・研究機関発シーズを創業前から支援
UntroD Capital Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:永田 暁彦、以下「UntroD」)と、QBキャピタル合同会社(本社:福岡市早良区、代表社員:坂本 剛・本藤 孝、以下「QBキャピタル」)は、日本全国における大学・研究機関発ディープテック・スタートアップの創出・成長支援を加速するため、包括的な連携を開始したことをお知らせします。
本連携は、ディープテック特化型VC同士が、創業前の大学・研究機関発シーズの発掘、ギャップファンド(研究成果の事業化前段階を支援する公的資金制度)獲得・事業化支援、投資検討、投資後の成長支援までを一体的に推進する包括連携として、日本初の取り組みとなります(当社調べ)。
両社の関連ファンドを含む運用総額は合計約520億円にのぼります。両社はこれまで、全国29都道府県に広がるディープテック・スタートアップへの投資を行い、投資先の過半数が地方発、また70%以上が大学・研究機関発スタートアップとなっています。さらに、全国51の大学・研究機関との連携実績を有し、創業前の研究シーズから、ギャップファンド、シード投資、成長支援、IPO・M&A等の出口戦略まで、長期的な社会実装を支える支援体制を構築してきました。
今回の包括連携により、UntroDが有する全国規模のディープテック投資・育成基盤と、QBキャピタルが九州を中心に築いてきた大学発スタートアップ支援、地域エコシステム形成、ギャップファンド運営の知見を相互補完します。これにより、東京一極集中に依存しない、日本全国からのディープテック・スタートアップ創出モデルをさらに強化してまいります。
背景:全国に眠る技術シーズを、地域から世界市場へ接続する
日本には、大学、国立研究開発法人などに、世界的な社会課題を解決し得る研究成果や技術シーズが数多く存在しています。特に地方の大学・研究機関においては、優れた技術シーズが存在する一方で、知財の強化、経営人材の確保、開発資金の獲得、事業化プロジェクトの組成、カンパニークリエーション(研究シーズを基に新会社を立ち上げる取り組み)など、創業前段階からの実務的な支援が不可欠です(※図1)。
UntroDは、2015年のリアルテックファンド設立以来、環境・エネルギー、バイオ、宇宙、ロボティクス、エレクトロニクス、素材、医療・ヘルスケア等の領域で、日本発のディープテック・スタートアップに投資・伴走してきました。
QBキャピタルは、九州地域の大学発スタートアップ支援をはじめ、地域の大学・研究機関に根差した技術シーズの発掘・事業化支援を行い、九州を中心とする地域ディープテック・エコシステムの形成を推進してきました(※図2)。
両社はこれまでにも、九州大学発の株式会社Kyuluxをはじめ、大学・研究機関発スタートアップへの投資・支援において協調してきた実績があります(※図3)。今回の包括連携は、こうした協調関係をさらに発展させ、日本全国の創業前シーズから成長フェーズまでを一気通貫で支援する体制を構築するものです。
本連携の概要
本連携において、両社は以下の取り組みを推進します。
1. 全国の大学・研究機関発シーズの共同発掘・投資育成
QBキャピタルのキャピタリストが、両社の連携体制のもと、リアルテックファンド4号投資事業有限責任組合およびUntroD野村クロスオーバーインパクトファンド投資事業有限責任組合における投資・育成活動に参画し、投資候補先の発掘、面談、事業化仮説の構築、投資検討を共同で実施します。
特に、法人化前・創業前の大学・研究機関発シーズについて、研究者との初期対話、知財・規制・市場仮説の整理、創業チーム形成、将来的な資金調達可能性の検討を早期から支援します。
2. ギャップファンド活動の共同推進
JSTのスタートアップ・エコシステム共創プログラム等におけるギャップファンドについて、両社で有望な技術シーズの探索、事業化プロジェクトの組成、共同申請、採択後の事業化支援を推進します。QBキャピタルが培ってきたギャップファンドのプロジェクトマネジメントノウハウと、UntroDの技術・事業開発・専門人材ネットワークを組み合わせることで、大学・研究機関発スタートアップの創出を加速します。
3. 投資先への共同成長支援
主にシードステージを対象とするリアルテックファンド4号の投資先に対し、両社が共同で成長支援を行います。
研究開発戦略、事業開発、知財戦略、採用・組織開発、資金調達、資本政策、グローバル展開、IPO・M&Aを含む出口戦略まで、ディープテック・スタートアップに必要な長期伴走型の支援体制を強化します。
4. 九州を起点とした地域ディープテック・エコシステムの強化
UntroDの福岡拠点とQBキャピタルが連携し、九州を中心とする地域密着型の支援体制を強化します。
QBキャピタルがこれまで築いてきた大学、自治体、地域金融機関、事業会社との関係性を活かしつつ、UntroDの全国・グローバルな投資育成基盤と接続することで、地域発ディープテック・スタートアップが世界市場に挑戦するための支援体制を拡充します。
なお、本連携の対象は、リアルテックファンド4号およびUntroD野村クロスオーバーインパクトファンドにおける投資・育成活動を中心とするものであり、QBキャピタルが運営する既存ファンドについては、引き続き同社が責任を持って運営します。また、本連携は、両社の強みを相互補完する業務連携であり、新たな法人、投資ファンドその他の独立した投資主体を設立するものではありません。
本連携の意義
本連携の最大の意義は、日本全国に分散する研究成果を、創業前から世界市場に接続するためのディープテック投資・育成インフラを強化する点にあります。
ディープテック・スタートアップの創出には、単なる資金提供だけではなく、研究成果の事業化仮説、知財戦略、規制対応、経営人材、顧客開発、量産・スケールアップ、長期資金調達を統合的に支援する機能が求められます。
UntroDとQBキャピタルは、それぞれが培ってきた専門性と地域ネットワークを持ち寄ることで、以下を実現していきます。
- 全国の大学・研究機関発シーズへのアクセス強化
- 創業前からの事業化支援体制の拡充
- ギャップファンドとVC投資の連続性向上
- 地方発ディープテック・スタートアップの創出加速
- シードからクロスオーバーまでの資金供給・成長支援機能の強化
- 日本発ディープテック・エコシステムの国際競争力向上
本連携は、将来的なディープテック投資・育成体制のさらなる強化にもつながる、全国規模のディープテック・プラットフォーム構築に向けた重要な一歩です。
コメント
UntroD Capital Japan株式会社
代表取締役社長 永田 暁彦
今回、九州を中心に大学発スタートアップ支援、ギャップファンド運営、事業化プロジェクト組成に豊富な実績を有するQBキャピタルと包括的に連携することで、日本全国の研究シーズをより早い段階から支援し、世界に挑戦するディープテック・スタートアップの創出を加速できると考えています。
UntroDは、リアルテックファンドを通じて培ってきた投資育成力をさらに進化させ、日本発の科学技術が産業となり、社会課題の解決につながる未来を実現してまいります。」

QBキャピタル合同会社
代表社員 坂本 剛
今回のUntroDとの包括連携は、QBキャピタルがこれまで築いてきた大学、研究者、地域エコシステムとの関係性を維持・発展させながら、その支援力を全国規模へと拡張するものです。
研究成果を社会実装するには、地域に根差した信頼関係と、長期にわたる投資育成機能の双方が必要です。QBキャピタルは、UntroDとの連携を通じて、東京一極集中からの脱却を促し、地域から世界に羽ばたくディープテック・スタートアップの創出および日本全体の持続的な成長を支える地域イノベーションエコシステムの形成により一層貢献してまいります。」

UntroD Capital Japan株式会社およびリアルテックファンドについて
UntroD Capital Japan(アントロッドキャピタルジャパン)株式会社は、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーを有するディープテック・スタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を2015年に設立し、シード・アーリーステージのスタートアップへのリード投資およびハンズオン支援を行ってきました。現在までに、リアルテックファンド1号~4号(日本ファンド)、リアルテックグローバルファンド1号・2号(グローバルファンド)、リアルテックグロースファンド1号(日本ファンド)、およびクロスオーバー・インパクトファンド(日本ファンド)を運用し、運用総額は400億円以上に達しています。社会に必要とされながら資本が流れにくい未踏領域に誰よりも最初に踏み出し、その経済性を証明することで資本や人材が供給され続ける持続的な仕組み創りを目指す、その意志をより一層体現するため、「未踏」を意味する「UntroD」を社名として掲げ、2024年6月に再始動しました。
HP:https://untrod.inc
QBキャピタル合同会社について
QBキャピタルは、九州をはじめとする地域の大学・研究機関が有する優れた研究成果や技術シーズの社会実装を促進し、大学発スタートアップの創出・成長を支援することを目的として2015年に設立されました。
現在、大学の技術シーズ及びシード・アーリー段階の大学発・ディープテック系スタートアップを投資対象とした「QB1号ファンド(約30億円)」、「QB2号ファンド(約70億円)」を運用しています。新たな産業の創出と地域経済の活性化を図るとともに、イノベーションや人材、資金など、東京一極集中からの脱却を促し、日本全体の持続的な成長を支える地域イノベーションエコシステムの形成を目指してまいります。
URL:https://qbc.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先
UntroD Capital Japan株式会社
広報担当:成田
https://untrod.inc/contact